ブログ

三種の神器に相続税はかかる?皇位とともに承継される財産と相続税

「三種の神器を相続したら、相続税はかかるのでしょうか?」

鏡・剣・璽(じ)からなる「三種の神器」は、一般的な財産とは異なり、皇位とともに承継される特別なものです。

そして相続税法には、皇位とともに承継される一定の財産について、相続税を課さない特別な規定があります。

今回は、三種の神器と相続税の関係について、相続税法や皇室経済法、宮内庁の資料をもとに見てみましょう。

三種の神器とは?

三種の神器とは、皇位のしるしとして代々受け継がれてきた鏡・剣・璽をいいます。

宮内庁では、ご即位に関する用語として「剣璽等承継の儀」を説明しており、皇位のしるしとされる剣と璽などを新天皇が承継する儀式としています。

一般的な相続財産のように、相続人の間で「誰が取得するのか」を遺産分割協議で決める性質のものではなく、皇位の承継に伴って受け継がれる特別な財産です。

【参考】宮内庁「ご即位・立太子・成年に関する用語」

三種の神器に相続税はかかる?

結論からいうと、皇位とともに承継される一定の財産については、相続税は課税されません。

相続税法では、相続や遺贈によって取得した財産であっても、一定の財産については相続税を課さないこととしています。

その非課税財産の一つとして、次のものが定められています。

皇室経済法第7条の規定により皇位とともに皇嗣が受けた物

国税庁・税務大学校の相続税法の教材でも、相続税の非課税財産として明記されています。

【出典】国税庁・税務大学校「相続税法」

なぜ三種の神器は通常の相続財産と違うのか

ポイントになるのが、皇室経済法第7条です。

皇室経済法では、皇位とともに伝わるべき由緒ある物について、皇位とともに皇嗣が受けることを定めています。

つまり、通常の相続のように、亡くなった方の財産を相続人が話し合って分けるというものではありません。

皇位の承継に伴って、次の皇位継承者へ承継される財産として、通常の相続財産とは異なる取扱いが設けられています。

「皇位とともに伝わるべき由緒ある物」とは?

では、「皇位とともに伝わるべき由緒ある物」とは、どのようなものでしょうか。

代表的なものとして知られているのが、三種の神器です。

また、宮内庁の資料では、宮中三殿(賢所・皇霊殿・神殿)についても、皇位とともに継承される御由緒物とされています。

このように、皇位の承継に伴って受け継がれる由緒ある物については、一般的な預貯金や不動産などとは異なる特別な位置付けがされています。

皇室の財産すべてが相続税非課税になるわけではない

ここで注意したいのは、「皇室の財産だから相続税がかからない」という制度ではないことです。

非課税とされているのは、皇室経済法第7条の規定により皇位とともに皇嗣が受けた物です。

それ以外の財産については、皇室に関係する財産だからという理由だけで、すべて相続税が非課税になるわけではありません。

実際、昭和天皇の相続では相続税が納付されたとされています。

昭和天皇の遺産や相続税については、別の記事で詳しく解説します。

一般の相続にも「非課税財産」がある

三種の神器は非常に特殊な例ですが、「相続によって取得した財産であっても、一定のものには相続税を課さない」という仕組み自体は、一般の相続にもあります。

例えば、墓地・墓石・仏壇・仏具など、日常礼拝の対象となっている一定の財産は、原則として相続税の非課税財産です。

また、被相続人の死亡によって相続人が取得した生命保険金についても、一定の非課税限度額があります。

死亡保険金の非課税限度額
=500万円×法定相続人の数

三種の神器とは制度の趣旨も内容も異なりますが、相続税では「相続した財産だからすべて課税される」とは限らないという点は共通しています。

【参考】国税庁「相続税がかからない財産」

【税理士からのコメント】

三種の神器と相続税というと、一般の相続とは関係のない特殊な話に思えるかもしれません。

ただ、相続税には「相続によって取得した財産のすべてに相続税がかかるわけではない」という基本的な考え方があります。

一般の相続でも、預貯金、不動産、生命保険金、死亡退職金、墓地・墓石など、財産の種類によって相続税上の取扱いが異なります。

相続税を計算するときには、財産の金額だけでなく、その財産が相続税上どのように扱われるのかを確認することが大切です。

まとめ|三種の神器には特別な非課税規定がある

三種の神器など、皇室経済法第7条の規定により皇位とともに皇嗣が受けた物については、相続税法上、相続税が課税されないこととされています。

ただし、これは「皇室の財産はすべて非課税」という意味ではありません。

皇位とともに承継される由緒ある物について、通常の相続財産とは異なる特別な取扱いが設けられているものです。

少し特殊なテーマですが、一般の相続でも非課税財産は存在します。

「何を相続したのかによって相続税の取扱いが変わる」という相続税の仕組みを知る一例として見ると、興味深い制度ではないでしょうか。

参考資料・出典

関連記事

  1. 不動産小口化商品は利回りだけで大丈夫?元銀行員・税理士が気になる…
  2. 相続税の基礎控除とは?計算方法を解説
  3. 昭和天皇の相続|皇太后の相続税はなぜ0円だった?配偶者の税額軽減…
  4. 相続相談は土日も対応しています|事前予約で柔軟に対応
  5. 日本政策金融公庫の創業融資|信用情報や過去の返済履歴はどこまで見…
  6. 天皇陛下にも相続税はかかる?昭和天皇の相続から見る皇室と相続税
  7. 日本政策金融公庫の創業融資|申し込み前に確認したい6つのポイント…
  8. 売上はいつ計上する?入金日ではない?税務調査で確認されやすい「期…
PAGE TOP