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不動産小口化商品は利回りだけで大丈夫?元銀行員・税理士が気になる「5年後の資金返還」

不動産小口化商品の中には、一定期間運用したあと、契約終了時に出資金の返還を予定する仕組みのものがあります。

こうした商品を見るとき、毎年の分配金や想定利回りに目が向きがちですが、元銀行員・税理士として気になるのが、「将来のキャッシュフロー(お金の流れ)」です。

今回は、特定の商品の安全性や投資判断を評価するものではなく、資金の流れを見るときの基本的な考え方をご紹介します。

「利益が出ている」と「お金がある」は別問題

不動産投資や事業経営では、会計上の利益が出ていることと、手元に現金が残っていることは同じとは限りません。

例えば、不動産を借入金で購入している場合、資金繰りを見るうえで次のような違いがあります。

  • 借入金の元本返済
    現金は出ていきますが、元本の返済額は費用にはなりません。
  • 減価償却費
    建物などの取得価額を一定期間にわたって費用化するため、その年に同額の現金が出ていくわけではありません。

そのため、会計上は利益が出ていても、借入金の返済や分配金の支払いなどによって、手元資金が減っていくことがあります。

逆に、減価償却費が大きければ、会計上の利益が小さくても一定の現金が残っている場合があります。

損益計算書だけでは、実際のお金の動きまでは分かりません。これは不動産投資に限らず、会社の資金繰りを見る場合にも重要なポイントです。

毎年分配できることと、最後に出資金を返せることは別

もう一つ確認したいのが、運用期間終了時の資金です。

一定期間にわたって投資家へ分配を行い、契約終了時に出資金を返還する仕組みであれば、毎年の分配金を支払うためのお金と、最後に出資金を返還するためのお金の両方を考える必要があります。

毎年予定どおり分配が行われているからといって、それだけで将来の出資金返還まで判断できるわけではありません。

では、返還するお金はどこから出てくるのか?

元銀行員としてこうした仕組みを見ると、気になるのが「最後のお金はどこから出てくるのか?」という点です。

出資金の返還原資としては、運用期間中に蓄積した資金、保有不動産の売却代金、借換えなどで調達する資金が考えられます。どの資金を使うかは、商品や事業の仕組みによって異なります。

まず確認したいのは、どのような資金によって最終的な返還を行う設計になっているのかということです。

特に不動産の売却を前提としている場合には、将来の売却価格や売却時期が当初の想定どおりになるとは限りません。

そのため、利回りだけを見るのではなく、運用期間中から終了時までのお金の流れを一つにつなげて考えることが大切です。

元銀行員・税理士として、利益と資金の流れを見る

税金を計算するときには、利益や所得の金額を確認します。一方、資金繰りを考えるには、現金の入出金も確認する必要があります。

銀行で融資案件を見るときにも、利益だけでなく、実際に資金が回るのか、借入金を返済できるのかが重要になります。

不動産投資についても、利益とキャッシュフローの両方を見ることで、数字の見え方が変わることがあります。

【元銀行員・税理士からのコメント】

不動産投資の商品を見ると、「想定利回り○%」という数字が最初に目に入ります。

私は、その数字と合わせて、分配金と出資金返還の原資を確認したいと考えています。

運用開始から終了までのお金の流れを見ることも、仕組みを理解するうえで大切な視点です。

まとめ

不動産小口化商品を見るときは、利益とキャッシュフローを分けて考える必要があります。

一定期間後に出資金を返還する仕組みであれば、毎年の分配金だけでなく、最終的な返還原資がどのような設計になっているのかも確認しておきたいところです。

税金の計算だけでなく、その前後にあるお金の流れまで見る。不動産に関する数字を見るときには、そんな視点も大切ではないでしょうか。

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