税務署から税務調査の連絡があり、「○月○日に伺いたいのですが、ご都合はいかがでしょうか」と調査日を提示された。
ところが、その日は仕事の予定が入っていたり、出張や通院など外せない予定があったりすることもあります。
また、税務調査に税理士の立会いを依頼したい場合には、税理士との日程調整も必要になります。
このような場合、税務署から最初に提示された日程で必ず調査を受けなければならないのでしょうか。
合理的な理由がある場合には、調査日時の変更について税務署と相談・調整することができます。
税務署から提示された日程は変更を相談できる
実地の税務調査が行われる場合、原則として調査開始日時や調査場所、調査対象となる税目・期間などについて事前通知が行われます。
国税庁も、事前通知された調査開始日時について、合理的な理由がある場合には変更について協議を求めることができるとしています。
そのため、最初に提示された日が都合悪いからといって、予定をすべて変更して必ずその日に対応しなければならないというわけではありません。
まず自分の予定を確認し、対応が難しい場合にはその事情を伝えたうえで、別の日程について相談します。
どのような場合に日程変更を相談できる?
例えば、次のような事情がある場合には、その内容を税務署へ伝えて日程変更を相談することが考えられます。
- 仕事上の都合:外せない出張、商談、業務上の重要な予定などがある
- 健康上の都合:本人や家族の通院・治療などの予定がある
- 家庭上の都合:冠婚葬祭、介護、育児などの事情がある
- 税理士の立会い:税務調査への立会いを依頼する税理士との日程調整が必要
実際に変更できるかどうかや変更後の日程については、個別の事情を踏まえて税務署と調整することになります。
一方で、特に事情がないにもかかわらず何度も延期したり、税務署からの連絡に応じなかったりすることは避けた方がよいでしょう。
「税務調査を避けるための延期」ではなく、「実際に調査を受けられる日程に調整する」という考え方が大切です。
その場で調査日を即答しなければならない?
税務署から電話があったとき、すぐに自分の予定が分からないこともあります。
その場合には、提示された日時を確認したうえで、スケジュールを確認して折り返したい旨を伝える方法もあります。
特に、税理士への立会い依頼を検討している場合には、税理士の日程も確認する必要があります。
電話を受けた時点で慌てて判断するのではなく、まず次のような内容を確認しておくと、その後の対応がしやすくなります。
- 税務署名・担当者名
- 提示された調査日時
- 調査を行う場所
- 調査対象となる税目
- 調査対象となる期間
- 準備を求められた帳簿・資料など
税理士に立会いを依頼する場合の日程調整
これまで自分で確定申告をしていて顧問税理士がいなかった場合でも、税務調査の連絡を受けてから税理士へ相談することはできます。
税務調査への立会いを税理士へ依頼する場合には、納税者・税理士・税務署それぞれの予定を確認しながら調査日を調整することになります。
税務代理を依頼した場合には、税理士が税務署との連絡窓口となり、日程や調査場所などについて調整することもできます。
ただし、税理士へ依頼したからといって、税務調査に関するすべてのやり取りを本人がしなくてよくなるということではありません。
事業内容や実際の取引について、本人に確認しなければ分からない事項については、調査当日に質問を受けることがあります。
【税理士からのコメント】
税務署から調査日の連絡を受けた場合、提示された日が都合悪ければ、まずその事情を説明して日程を相談します。
税理士への立会いを希望する場合には、その旨を伝えたうえで税理士の日程も含めて調整するとよいでしょう。
大切なのは、単に調査日を先延ばしにすることではありません。
調査日までの期間を利用して、過去の申告書や帳簿、通帳、請求書などを確認し、事実関係を整理しておくことが重要です。
日程が決まったら調査日までに何をする?
調査日が決まったら、次に行うのが事前準備です。
税務調査の連絡を受けたからといって、慌てて帳簿を書き換えたり、事実と異なる説明を用意したりする必要はありません。
まず、これまで提出した申告書と、その申告のもとになった帳簿・資料を確認します。
例えば、
- 確定申告書・決算書の控え
- 総勘定元帳などの帳簿
- 銀行口座の取引内容
- 売上の請求書や入金資料
- 経費の請求書・領収書
- 契約書
- 固定資産や借入金に関する資料
などを確認し、申告内容との整合性を見ていきます。
確認の過程で処理に疑問がある部分が見つかった場合には、事実関係と資料を整理したうえで、必要に応じて税理士へ相談します。
「準備したいから延期する」ではなく、必要な日程を相談する
税務調査の日程変更について、「できるだけ先の日程にして、その間に何とかすればいい」と考えるのはおすすめできません。
日程変更は、仕事・家庭・健康上の事情や税理士との日程調整など、実際の事情を税務署へ説明したうえで相談するものです。
また、調査まで時間があるからといって、過去の取引について事実と異なる資料を作成したり、説明を合わせたりしてはいけません。
調査前に行うべきなのは、過去の申告内容と資料を確認し、実際の取引内容を説明できる状態にしておくことです。
当事務所での税務調査対応
当事務所では、税務調査の連絡を受けた後からのご相談にも対応しています。
ご依頼いただいた場合には、調査内容に応じて、
- 税務署からの事前通知内容の確認
- 税務署との調査日程の調整
- 調査場所についての相談・調整
- 過去の申告書・帳簿・資料の事前確認
- 税務調査当日の立会い
- 調査後の税務署とのやり取り
などを行います。
税務調査の連絡を受け、「指定された日は都合が悪い」「税理士に立ち会ってほしい」「何を準備すればよいのか分からない」といった場合には、調査日が決まる前の段階でご相談いただくと、その後の対応を整理しやすくなります。
まとめ|税務調査の日程は事情があれば相談できる
税務署から提示された調査日が都合悪い場合、合理的な理由があれば調査日時の変更について相談することができます。
その場で予定が分からなければ、日時や担当者などを確認し、自分や税理士のスケジュールを確認してから調整する方法もあります。
そして日程が決まったら、調査日までの期間を単なる「時間稼ぎ」にするのではなく、申告書・帳簿・通帳・請求書などを確認し、事実関係を整理しておくことが重要です。
税務調査の連絡を受けた段階から準備を始めることで、日程調整だけでなく、調査当日の対応についても落ち着いて整理することができます。









